歯を抜く歯列矯正と抜かない歯列矯正 | 金沢けんろく矯正歯科

歯を抜く歯列矯正と抜かない歯列矯正

こんにちは、院長のまだちです。
今回は、矯正歯科治療と抜歯の関係について説明します。

この記事を読むことで「矯正歯科治療と抜歯の関係」がわかります。ぜひお友達にも教えてあげてください(所要時間約5分)。

目次

「矯正治療=歯を抜く治療」の間違い

このように、矯正治療と聞くとまずは健康な歯を抜かなきゃいけないとご想像している方が多くいるかもしれません。
不安になりますよね。
でも、私たち矯正歯科医は「歯科医師」です。歯科医師はみなさんのお口の健康を守る職業ですから、何でもかんでも抜歯するというわけではありません。
ただ、プロとして患者さまの一番気にしていること「主訴」を改善することが責務なのです。

第一選択は歯を抜かない治療法を目指しますが、お口の中の状況と主訴を鑑みたうえで、分析および経験から「抜く抜かない」の判断を行います
その際、抜く場合は「どうしても抜かないと良くならない(主訴が改善しない)」、「抜かなくてもある程度は良くなるけど抜いた方が良くなる」という状況があります。どちらにおいても、抜く抜かない、それぞれの治療法のメリット・デメリットについてご説明しますし、よく相談・検討していただいた上で、極力 最終判断は患者さまのご意向に沿わせていただきます。明らかに抜いたほうがいい場合は、患者さまのためにも抜かない治療は勧めません(その際もよくよくご説明します)。

なぜ抜く必要があるのかについて簡単に解説

抜く目的は大きく2つに分けられます。
①歯をきれいに並べるためのスペースを確保するため②横顔や口元の顔立ちを改善するため、です。

① 歯をきれいに並べるためのスペースを確保する。

歯が並ぶ顎の大きさをベンチに例え、生えてくる歯を便宜上4本と仮定して説明します。

本来なら4人掛けのベンチが必要なのに、3人掛けのベンチしかありません(顎が小さい)。その場合、おしくらまんじゅうで無理やり座ることになります。これがいわゆるでこぼこ=叢生です。顎の大きさは普通でも歯自体が大きいパターンもあります。

あいにくベンチの大きさが決まっているのでちゃんと腰掛けるには、かわいそうですが一人抜けてもらわなければいけません。

一人抜けてくれることで3人がきれいにちゃんと座ることが出来ました。このようにキレイな歯並びと正しいかみ合わせを得るためには歯を抜くことが最善の場合もあります。

② 横顔や口元の顔立ちを改善するため

上顎前突や下顎前突で横顔のバランスが悪くなっている場合があります(口を閉じた時、顎先にシワが寄るなど)。それは、歯が前にでていて唇が閉じにくいからです。では、どうすれば唇が閉じやすくなるでしょうか。
そうです、出ている歯を後ろに退けばいいですよね。
でもベンチがギュウギュウの場合は後ろに退かせるためのスペースがありません。そこでやはり一人抜けてもらう必要があります。一人抜けることで空いたスペースに歯を退かせることができるので唇も閉じやすくなり、横顔・口元が改善します。

抜かない治療とは

  • ・奥歯も含めた歯並び全体を奥に押し込む方法
  • ・歯が並ぶ顎を広げる方法(小児矯正で有効)
  • ・顎はそのままで歯並び自体を少し広げる方法(ベンチに半分腰掛けるイメージです。歯を並べる骨は曲線ですから腰掛け具合を半分にすることでスペースが生じます)。

これらの方法をうまく利用すれば歯を抜かなくてもよくなる可能性があります。
ただし、でこぼこの程度や、前歯が出ている程度が軽度の場合のみです。無理やり抜かない治療をすると横顔が崩れるだけでなく、歯ぐきや骨にまで悪影響を及ぼします。

ところで、なぜ抜かない治療が流行りだしたのか。

それは欧米では抜かない治療が活発だからなのですが、なぜ欧米では抜かない治療が多く可能なのかというと歯を並べる骨が日本人よりしっかりしているからです。歯を抜かずに治そうとした際に、日本人だと歯ぐきや骨に悪影響が出そうな場合でも、欧米人では抜かずに治せてしまいます。また、日本人と違って鼻が高くて顎先(おとがい)がしっかりしているため、横顔が崩れにくいという点も大きな理由です。日本人とは元々のベースが全く異なるわけですね。

日本人で無理やり抜歯をせず矯正治療をした場合は、横顔が崩れます。口元が突出してお口が閉じづらい状況を招くでしょう。顎先のしわができたり、喋りづらくなったりもします。でこぼこは治ったけど、歯ぐきが悪影響を受けて下がり、歯がロバのように長くなった気がする、なんか残念な口元になっちゃった・・・そんなことが起こり得ます。

近年流行りのマウスピース矯正では「目立たない」「抜かない」と患者さまにとって嬉しい言葉を謳っているところが増えていますが、逆に抜かないことのデメリットついて説明を求めてもいいかもしれませんね。

主訴を改善するためにはどうしても歯を抜いたほうがいい場合があるということ、おわかりいただけましたか。
当院では、非抜歯を第一選択として考え、たとえ抜歯が必要な場合でもその理由などについて丁寧に分かりやすく説明いたします。
またどうしても抜歯が嫌だと言う方には、 医療者として最善の治療法をご提案するだけではなく患者さまのご意向にできるかぎり沿う治療を行うことを心がけております。なにより、患者さまの不安要素をしっかり取り除いてから治療を開始しますので、不安なことは安心してなんでもお気軽にご相談ください。

石川県金沢市でこども・中高生・成人の矯正歯科治療なら金沢けんろく矯正歯科へ。女性認定医も在籍。山側環状線からアクセス便利で金沢市だけではなく、小松市・白山市・野々市市・津幡町・かほく市からもアクセスのよい環境です。

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