硬いもの食べていますか?
こんにちは、院長のまだちです。
みなさん硬いもの食べていますか。お子さまのご飯やおやつの硬さを意識したことありますか。
今回はでこぼこの歯並びについてお話していこうと思います。
この記事を読むことで「でこぼこの歯並びになってしまう理由」についてわかります。(所要時間約3分)。
目次
- ・ 叢生について
- ・ 歯と顎の大きさの変遷
- ・ 食生活と歯並び
乱杭歯=でこぼこの歯並び=叢生
現代人のほとんどは叢生
歯並びやかみ合わせの異常は今日ではほとんどの人に見られます。受け口や出っ歯ではないけれど、少しガタガタした歯並びになっている人がほとんどではないでしょうか。
ガタガタの歯並び、いわゆる乱杭歯(らんぐいば)は専門的には「叢生(そうせい)」と呼ばれます。程度の差こそあれ、叢生の歯並びだと見た目があまりよくないこと、歯磨きが難しいのでむし歯や歯周病になりやすいこと、食べ物が十分に咀嚼(そしゃく)されずに消化器官に送られ負担をかけること、歯科治療が少し難しくなってしまうことが問題点として挙げられます。
こういう問題はいつから出てきたのでしょうか。
実は原住民や発掘された古人骨を見てみると歯並びに関してはほとんど異常なくキレイに並んでいることが多いのです(かみ合わせは受け口だったり出っ歯であったりと今と変わらない問題も確認されているそうです)。それが、日本人では江戸時代からガタガタの歯並びが増えてきたと言われています。
歯と顎の大きさの変遷
ここで、歯と顎の骨の大きさの移り変わりについてお話します。
一般的に、ヒトの歯の大きさはほとんど変わっていないと言われています。数万年という時間軸でみると多少小さくはなっているそうですが、数千年・数百年という単位では変わっていないそうです。それに対し、顎の骨の大きさはヒトの一生という短い時間軸の間にも目に見えて変化しますし、もちろん数百年数千年という時間軸でも形や大きさを変えていることが研究によって明らかにされています。
言い換えると歯の大きさは江戸時代でも縄文時代でもほぼ変わらないといえます。むしろ縄文人の方が歯は大きい傾向なのに歯並びがキレイ。
ではなぜ縄文人は歯並びがキレイで江戸時代の人は歯並びがガタガタになって来たのでしょうか。
食生活と歯並び
柔らかい食べ物ばかりではでこぼこの歯並びに
それは食生活に関係していると考えられています。
噛むときの力が強ければ、頻度が多ければそれだけ骨に力が加わり強くなります。骨隆起と呼ばれる骨のふくらみが生じたりもします。逆に、弱い力しかかからなければどんどんやせ細っていきます。このように嚙む力が顎の骨の大きさに関係しているわけですね。
江戸時代には日本の食文化が大きく変化し、食べ物も柔らかくなって噛む力を以前の時代より必要としなくなったことが大きいのです。
現代はどうでしょう。より様々な調理法が確立され、肉も野菜も柔らかくして食べることが可能ですしみなさんもそんな食感が大好きなのではないでしょうか。離乳食から始まるお子さまの食事も、意識していないときっと柔らかいものばかり食べさせてはいませんか。
柔らかいものを食べる食生活によって顎の骨が小さくなった。そこに昔と変わらない大きい歯が生えてきたらどうでしょうか。当然、キレイには並べずにでこぼこになって生えざるを得ないですよね。
でこぼこの歯並びの原因についておわかりいただけただけましたか。
歯ごたえのあるものを前歯で噛もう
硬い食事ばかりをする必要はありませんが、お子さまのおやつや食事の際に1品は歯ごたえのあるものを取り入れてみたり、前歯で嚙み切ることを意識させて食事のお手伝いをしてあげてほしいなと思います。
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参考文献:「新版 プロフィトの現代歯科矯正学」WILLIAM R.PROFFIT 著、高田 健治 訳