治療事例「歯科検診で指摘された過蓋咬合を2本抜歯で治療した事例」15歳男子
こんにちは。
院長の眞舘です。
当院で実際に治療を受けられた患者さまの治療事例のご報告です。
「歯科検診で指摘された過蓋咬合を上顎2本抜歯で治したケース」
目次
- ・ 相談内容
- ・ 診断結果・治療内容
- ・ 治療前後を動画で見る
- ・ まとめ・現在の様子
相談内容
学校歯科検診で「過蓋咬合だから将来的に歯がダメになる可能性が高いよ」と言われたので気になって来院されました。
診断結果・治療内容
上下顎ともに叢生(でこぼこ)はほとんどありませんでしたが、上下の前歯のかみ合わせが深く、噛んだ時に下の歯が全く見えない状態でした。一見かみ合わせはよさそうに見えますが小臼歯部(犬歯より後方の中間の歯)や右側の一番奥歯(第二大臼歯)は鋏状咬合を呈しており、実際は噛む力を負担するのは「奥歯だけ」の状態でした。そのため、検診で指摘された通り噛む力に対する奥歯への負担が長く続くことで、経年的に奥歯へのダメージが蓄積し、いずれ歯が欠けたりヒビ入ったりする可能性があります(だいたい40~50歳で多い)。また、奥歯がダメになると今度は前歯に強く負担がかかるようになり、かみ合わせの崩壊が始まります。それだけではなく、かみ合わせが深いと通常のあごの運動が妨げられ顎関節に負担がかかりやすいだけはなく、そもそも噛む力が強い方が多いので、顎関節症になってしまう可能性も高いです。奥歯のずれがかなりありましたので、今回は上顎の左右側1本ずつ、計2本 第一小臼歯を抜歯して治療を行う方針となりました。※ 過蓋咬合の場合、下顎を後ろに引き下げて噛んでいることも多く、リラックスした状態における正しい顎関節の位置での噛み合わせを把握することがとても大切です。下顎骨が前に移動する場合は奥歯のずれが解消される場合が多いため非抜歯での治療が選択肢としてあがってきます。今回のケースでは下顎骨は自然な状態でも前方への移動がなかったので抜歯という選択になりました。
治療前後を動画で見る
今回の治療事例のポイント
・ でこぼこ(叢生)はなかったが奥歯のずれが大きく、かつリラックスしたときの下顎骨の位置変化がなかったことから抜歯での治療が必要だった。
・ かみ合わせの深さを治すために、前歯を骨に打ち込んでいく力(圧下力)をかけるため歯根吸収が起きやすい。
まとめ・現在の様子
- 二期治療・上顎2本抜歯
- 治療事例:15歳男子
- 主訴:検診で過蓋咬合で歯が危ないと言われた
- 使用した装置:表側のワイヤー矯正
- 治療費:約88万
- 治療期間:2年1か月
- 注意すべきポイント:圧下を行うため歯の根の先端が溶けて短くなる可能性が高い(歯根吸収)
きれいに並べた歯を維持するための「保定」が始まります。保定装置には【上顎は着脱が可能なプレートタイプ、下顎は着脱不可のワイヤー固定によるFixリテーナー】を採用しました。保定期間は最短でも2年です。保定は長ければ長いほど安定しますので長期的な保定が望ましいですね。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクと副作用 について
「矯正歯科治療は公的健康保険適用外の自費(自由)診療です。」
一般的な治療期間は2~3年程度、通院回数は24~36回程度(一期治療の場合は1年~2年程度、通院回数は12~24回程度)
金沢けんろく矯正歯科について
当院は、日本で最も歴史のある日本矯正歯科学会の認定医である院長と、同じく認定医の副院長(女性)が治療を行います。従来の表側矯正だけではなく、舌側矯正(裏側矯正)やマウスピース矯正も経験豊富です。小児矯正ではインビザラインによるマウスピース型矯正も多く手掛けております。山側環状線からアクセス便利ですから金沢市だけではなく、加賀市・小松市・白山市・野々市市・津幡町・かほく市・珠洲郡からも患者さまが通院してくださっています。何かお困りごとがございましたら是非当院に一度ご相談にいらしてください。