矯正治療で抜歯をするときはどこを抜くの?
こんにちは、院長の眞舘です。
初診相談で抜歯が必要だと考えられる方にその旨をお伝えすると、多くの方に聞かれます。
「どこを抜くのか」、今回はそれに関するお話です。
この記事を読むことで「矯正治療で抜歯が必要な時に抜く歯について」わかります。(所要時間約3分)。
多くは小臼歯と呼ばれる中間の歯を抜歯
私たちの口のなかには、真ん中から「中切歯(大きい前歯)」、「側切歯(小さい前歯)」、「犬歯(糸切り歯=尖った歯)」、「第一小臼歯(4番目の歯)」、「第二小臼歯(5番目の歯)」、「第一大臼歯(6歳臼歯=大きい歯)」、「第二小臼歯(12歳臼歯)」、「第三大臼歯(親知らず)」の8本が存在します(中には親知らずが埋まったままだったり、歯がなかったりすることもありますが)。
それぞれの特徴を簡単に表すと、中切歯と側切歯は前歯なので見た目に大きく関わります。犬歯は最も歯の根が長い歯なので年を取って歯がなくなっていっても基本的には最後まで残ってくれるような歯です。大臼歯は食べ物を噛む大きな大事な歯です。これらの中間にある歯が第一小臼歯と第二小臼歯です。この2つは形や大きさが似ており、機能としても食べ物を噛む(すりつぶす)ことなので大臼歯の補助的といってもいいかもしれません。
そのため、矯正治療で抜歯をする際はこの第一小臼歯もしくは第二小臼歯を抜歯します。上述のように形、大きさも似ているので片方が残っていれば代替が効くからです。この2つのどちらを抜くかに関しては、むし歯治療がしてあるか、効率よく治療が進むのはどっちかなどをよく考慮して決めます。
本当にその歯でいいの?
ただし、歯がもともとなかったり、治療期間をどうしても短くしたい、抜く本数をどうしても少なくしたいなどの強い希望があれば第一小臼歯や第二小臼歯以外の歯を抜歯する方針が必要になることもあります。これは主治医とよく相談する必要があるでしょう。
それ以外で、単にデコボコが強いからという理由で<八重歯になっている犬歯を抜く>、<裏から生えてきた前歯を抜く>などの安易な抜歯をしてはいけません。それらの安易な抜歯を行うと治療期間は短くなりますが、見た目の問題や機能の問題を生じることがありますから、もしそれらの歯を抜きましょうと提示されても、よく考えてください。デコボコで邪魔だしまぁいいかと、安易に考えないでくださいね。
おまけ:すべての患者さまで抜かないで治療できるかを最優先で考える
忘れてほしくないのは、抜かないで患者さまのご希望をかなえることができるのであれば抜歯はしません。「抜歯は患者さまのご希望を叶える一つの手段」であり、非抜歯矯正法なる治療法が存在するわけではありません。抜かなければ患者さまの気になるところを治せない症例もあります。そういった場合に抜かない治療に踏み切ると、口の閉じにくさや横顔の歪みにつながります。
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金沢けんろく矯正歯科は山側環状線からアクセス便利ですから金沢市だけではなく、小松市・白山市・野々市市・津幡・かほく市からも患者さまが通院してくださっています。何かお困りごとがございましたら是非当院に一度ご相談にいらしてください。