出っ歯を「本当に治す」ために覚えておいてほしいこと
こんにちは、金沢けんろく矯正歯科の院長まだちです。
今回は「出っ歯」を主訴(最も治したいところ)として悩んでいらっしゃる方に向けたお話です。
当院の相談でも多くの方が「出っ歯」を主訴として来院されます。一言に出っ歯といっても、
・「上と下の歯の前後的なギャップ」
・「口の閉じにくさ」「口元(横顔含む)」
・「上の前歯だけが少し下に伸びている」
・「上の前歯だけが少しだけ前にある」
このように細かく分けると患者さまそれぞれで気にされている部分は異なります。
下二つに関して言うと、専門的には出っ歯ではなく叢生(そうせい=でこぼこ)の範疇となりますので今回は省きますね。
さて、上二つ「上と下の歯の前後的なギャップ」「口の閉じにくさ」「口元(横顔含む)」を主訴とする場合について大切なことをまずお伝えすると、
「患者さまご本人は何を治したいのか自分自身で理解しておきましょう」
ということです。なぜなら、口元を気にしていないから前後的な歯のギャップを埋められればいいのか、口元を引っ込めたいのかによって矯正治療の方法が全く変わってくるからです。
この記事を読むことで「出っ歯を治すということはどういうことか」がわかります。(所要時間約5分)。
目次
「出っ歯が治るの真実」
横顔の調和を考慮した治療方針こそが大事
私たち矯正医の考えは、「前歯を引っ込めて口が閉じやすくなり(横顔含む)口元も調和のとれた顔貌を獲得すること」が出っ歯を治すということです。
では前歯を引っ込めるにはどうするか。「歯を抜く治療が必要になる」もしくは「歯並び全体を奥に押し込む」の二択しかありません。歯並び全体を奥に押し込む場合も、今の一番後ろにある奥歯のさらに奥にどれだけ骨が存在しているかに依るので、無限に押し込めるわけではありません。つまり、奥歯の位置関係にもよるので一概には言えませんが、前歯をしっかりひっこめるには歯を抜く必要がある可能性が高いわけです。
出っ歯を治すイメージの共有
出っ歯を治すには、上の前歯を引っ込める必要があるのは皆さんもわかると思います。皆さんに比較的わかりやすいように説明していくと、かみ合わせは上の歯と下の歯で成り立っていますから、上の前歯を引っ込めているといつかは下の前歯とぶつかります。このときに、そこで引っ込めるのを終わりにするのか、もっと上の前歯を引っ込めるのかの岐路に立ちます。横顔が改善しそうであればそこで終わりにすればいいけれど、まだまだ横顔が改善しないようであればもっと上の歯を引っ込めなければなりません。しかし、下の前歯にぶつかったらそれ以上引っ込められないので、下の歯も抜いて下の歯も後ろに引っ込める必要がありそうだ。という判断になるわけです。(本当は横顔のレントゲン写真から客観的数値を出して分析の上、下の前歯の位置を先に決定していくのですが今回はイメージしやすさ優先)。
それでいいの?よく考えましょう
たまに、「出っ歯なら歯を少しやすり掛けして歯の大きさを小さくしてマウスピース矯正すれば大丈夫でしょうか」という質問をされる患者さまがいらっしゃいます。おそらくネットで調べているときにそのような記事を見つけられたのだとは思いますが、結論から申し上げますと「出っ歯の程度が小さければ可能だが、それだけで解決するのはごくまれ」です。歯を抜かないで短期間で治るからと、口元の不調和があるのに抜かずに治そうとすると、一見出っ歯が治ったように見える仕上がりになるかもしれませんが、実際は上の前歯の位置はほぼ変化せず、下の前歯を前方に倒れさせて上の前歯に近づけているだけにすぎません。つまり横顔も変化せず、ただ単に多少のデコボコが取れて、上下の前歯の前後的ギャップが小さくなっただけなのです。横顔がもともと問題ない場合のみ、やすり掛けの方法が有効です。あなたの治したい部分は本当に改善されるのかどうか、今一度考えてみていただきたいと思います。
抜かない治療+やすり掛けの治療の誘惑
抜かない治療ややすり掛けを使った治療が悪いわけではなく、症例によってはこれらの手法で患者さまが満足できる治療結果を得られることはあります。ただし、出っ歯=上顎前突の場合は、ほとんどがこれだけでは解決しないことが多いです。
「歯を抜かないで治せる」「抜くよりも治療期間が短い」という魅力的な言葉に誘惑され高い費用を払ったはいいものの仕上がりが思っていたのと違った。ということにならないように、ご自身がどこまでなおしたいかを把握しておくことが肝心です。矯正治療は高額な費用が発生する治療ですから後悔がない選択をしてほしいなと思っています。
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