舌は矯正歯科の天敵?!
こんにちは、金沢けんろく矯正歯科 院長のまだちです。
今回は、先回お話しした歯並びが悪くなる悪習癖のひとつで矯正歯科治療の天敵「舌癖」についてお話します。
舌の癖なんておそらく大半の方が初めて聞くと思いますが、これからお話しする内容で心当たりのある方は要注意ですよ。
少し長くなりますが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
この記事を読むことで「歯並びに悪影響をおよぼす舌癖について」わかります。ぜひお友達にも教えてあげてください(所要時間約3分)。
歯並びの維持は舌癖が一番の関門
早速ですがここで質問です。
今この瞬間、あなたの舌の先はどこにありますか?
下の前歯の裏側ですか、それとも上顎にくっついていますか。
舌は飲み込む運動(嚥下/えんげ)に欠かせません。人間は一日に何回も唾液や食べ物を飲み込む嚥下を行います。
赤ちゃんはおっぱいを飲む時に舌を前に突き出して嚥下をします(幼児型嚥下)。そして、正しく発育すると舌を上顎の天井につけて嚥下するようになります。でも、成長してもこの嚥下の仕方が切り替わらずに幼児型嚥下が定着してしまうことがあり、この定着した悪習癖を舌突出癖と言います。大人でも知らず知らず残っていることが多いですね。
冒頭の質問、正しい舌の位置は舌先が上顎にくっついてて、かつ前歯に当たっていない位置です。下の前歯の裏側にくっついている方は要注意です。低位舌と呼ばれる悪習癖の一つであり、これがあるとほぼ間違いなく舌突出癖も身についています。
<なぜ舌突出癖が歯並びに影響するのか>
舌は柔らかいと思いがちですが、実は筋肉の塊ですから思っているよりずっと硬いんです。
そんな舌が四六時中、歯を後ろから押していたらどうでしょうか。また、嚥下するたびに上下の前歯の間に挟まっていたらどうなるでしょうか。
これまでも出てきた開咬や上顎前突になってしまいます。
いわゆる受け口である下顎前突にもなってしまうかもしれませんし、すでに受け口の場合は間違いなく舌癖があり、放置すると悪化の一途ですから早めの相談が必要です。
特に小学生で受け口の方は必ず相談してくださいね。
また矯正治療中の方でもたまに突然舌癖が生じる方がいますが、これも治療期間の延長や治療後の後戻りの原因になるなど良くないことばかりが起きますから注意が必要です。
当然ながら、舌癖が治らずにいると治療が終わってもすぐにまた悪い歯並びに戻ってしまう可能性がかなり高いです。それほど、舌癖は治すべきものなのです。
<舌癖が残った場合に歯並びにどういう悪影響があるか>
- ①上と下の歯がかみ合わない開咬
- ②いわゆる受け口の下顎前突
これらになる可能性があります。しかも舌癖を治さずにいると悪い歯並びがさらに悪化します。ほぼ間違いなく自然に治ることはありません。
トレーニングで歯並びが悪くなることを予防しよう
<舌癖の治し方>
MFT(myofunctional therapy)
専門的見地に基づいた口腔筋機能療法は必須です。簡単に言うとお口周りの筋肉のトレーニングで舌の位置や唇の力などを是正することになります。
残念ながら長く染み付いた癖になりますから一朝一夕では治りません。我々も口すっぱく指導することになりますが、根気強く付いてきてください。
<セルフチェックの方法>
舌癖があるかどうかのチェックです。まず、鏡を持ってイーっと大きく口を横に開きます。唇は閉じないでそのまま唾を飲んでみてください。
歯と歯の隙間から舌がはみ出ていませんか?歯をギュッと押してしまっていませんか?もしそれらの感覚があった場合は舌突出癖あり、です。
特にお子様であれば、なるべく早めに相談して今後の歯並びへの影響を予防してほしいと思います。正しい嚥下方法を習得することは発育にとってとても大切なことですからね。
心当たりがある方は、お気軽に相談にいらしてくださいね。
当院はお子様の健やかなお口の発育をサポートします。
日本矯正歯科学会認定医による安心治療を提供する石川県金沢市の金沢けんろく矯正歯科です。こども/中高生・成人の矯正治療をご検討ならぜひ当院にご相談ください。